ドラゴンズとの敵地での3連戦。
シーソーゲームばかりだったが、2勝1分と素晴らしい結果にチームの底力を感じた。
(今年はAクラスを狙える気がする・・)
試合のポイントは、マクガフ投手が逆転を許した8回裏の継投と、9回表の山崎選手の再逆転となる決勝タイムリーの場面。「信頼」をキーワードに、それぞれ振り返ってみたい。
マクガフ投手の起用是非
売り出し中の若手リリーフ3人組(清水投手、梅野投手、長谷川投手)が連投だったため、高津監督ら首脳陣はなるべく彼らを起用したくないと考えていたと思う。
初の連投をこなした長谷川投手に至ってはベンチ外。
そんな中、先発高橋投手が5回2失点でマウンドを降りた後は、星投手と近藤投手という今季は勝ちパターンではない投手を起用しつつもリードを保った。
清水投手や梅野投手を起用したい気持ちをぐっと抑えて2人に任せた勝負は成功し、7回終わって1点リード。
そして、8回裏に誰を起用するか。
・・・
高津監督は、「迷わず」マクガフ投手をコールしたんだと思う。
マクガフ投手への変わらぬ信頼があったと感じる。
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/player/1800142/top 引用:Yahoo
直近の成績は、はっきり言って良くない。
7/7の前回登板は1アウトしか取れずに、被安打2自責点1で降板している。
大炎上したわけでもないセットアッパーを、回の途中でマウンドから降ろす采配は思い切った采配だと感じた。
(結果的には、長谷川投手と梅野投手が後続を絶って延長での逆転勝ちに繋がった。英断だった。)
ただ根本的には、マクガフ投手を信頼しているはずだ。
理由は3つ。
1.ちょっとツキがない(被BABIPが悪い)
セットアッパーならWHIP(1回あたりに許した走者の数)は1.00程度が望ましいが、実際には2.00を超えている。被打率は.405と、毎打席4割バッターを迎えるイメージ。
ただこの試合が始まるまでの被BABIPは.500。これは不運すぎる。
概ね.300程度に収まると言われているのに、飛んだ打球がヒットになりすぎている。
本来は打ち取っていたのに、飛んだところが悪くてヒットになっている不運の影響も大いにあると思う。
奪三振率は10.13と、セットアッパーとして申し分ない数字だ。
今日押し出しを許したものの、与四死球も8イニングで3個と多くない。
この調子で投げていれば、BABIPが平均レベルに収束し、ランナーを許すこともぐっと減るはずだと信じている。
首脳陣もきっとそう見ているはずだ。
2. 投げているボールは悪くなさそう
(私はプロのコーチではないので、断言は出来ないのはご容赦下さい。)
・ストレートは昨年同様150 km/h前後がコンスタントに出ている
・カットボールやスプリットも制球出来ている
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2020070901/score?index=0820100 引用:Yahoo
福田選手に長打を浴びたピッチングも、悪くないと思う。
本人も自信なさげに投げている様子にも見えない。
確かに真ん中気味にボールがいって打たれるシーンも時折あるが、制球できないボールが極端に多い訳ではないように感じる。
ほんの少し、何かのリズムがズレているだけではないだろうか。
首脳陣もそう感じているからこそ、1点リードの8回に変わらぬ信頼を寄せたんだと思う。
3. 昨年の確固たる実績
マクガフ投手には、昨シーズン通して活躍した実績がある。
一方、現在好調な清水投手や長谷川投手は、シーズン通しての実績はまだない。
彼らにも不調になるタイミングはきっとあると思う。
そういう意味でも、実績のあるマクガフ投手にはシーズン通して安定した活躍が期待される。数試合結果を残せなかっただけで切り捨ててしまっては、誰も信用できなくなってしまう。
だからこそ、迷わずマクガフ投手をコールしたと思う。
・・・
結果が全てのプロの世界といえど、まだマクガフ投手への信頼は厚いと思う。
一時的にリズムを変えるために大量リードのラクな場面で登板させて調子を掴んでくれたら理想的だと思うが、勝ちパターンから外したり、ましてや(ケガでもない限り)ファーム行きを判断したりするには早計だと思う。
ふとしたきっかけで、また明日以降、強いピッチングを見せてくれると思う。
山崎選手へのヒッティング指示
もう一つのポイントは、9回表1アウト満塁で山崎選手に回り、カウント2-0とボールが先行したシーン。
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2020070901/score?index=0910500 引用:Yahoo
・相手の岡田投手は3連投でお疲れ気味
・つい2日前に似た場面で岡田投手が押し出し
・続くバッターは4番村上選手
押し出しも視野に入れつつ、山崎選手には無理にヒッティングをさせないと思っていた。
押し出しなら同点に追いつき、なおも1アウト満塁で4番村上選手。犠牲フライでもよく、十分に勝ち越しを期待できたからだ。
・・・
が、山崎選手はストライクに来た3球目をしっかり合わせて逆転タイムリー!
正直、驚いた。
その場面では、よく見逃さずに、思い切って振っていったなと感じたのだが、どうやらこれはベンチからの指示もあったようだ。
ヒーローインタビューで山崎選手がこう語っていた。
どんな気持ちでバッターボックスに入りましたか?
「2ボールになって、監督から打って良いよ、という風にベンチから声をかけて頂いたので、積極的に自分から仕掛けようと思いました。」
この指示は、山崎選手のバッティングに対する高津監督の信頼の証だと思う。
昨年までなら同じシーンで「よくボールを見ていけ」という指示だったかもしれない。
開幕から好調な打撃を続けてきたことで生まれた、山崎選手への新たな信頼
こういう変化の瞬間を目の当たりに出来るのは、ファンとしても幸せだ。
思えば15年ドラフトで高山外野手のクジを当てていたら、ドラフト5位で山崎選手を獲得することは無かったかもしれない。
その高山選手は今季ノーヒットで打点もゼロ。
かたや山崎選手はここまで40打数14安打(打率.350)で、打点は10。
努力の賜物に違いない。
新たな信頼を勝ち得た山崎選手のバッティングにこれからも期待したい!
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