本当に悔しい敗戦だった。
先発石川投手が、好調巨人打線を6回1失点の好投で封じると、6回裏にスワローズ打線が山田選手の2ランホームランを含む一挙5得点をあげる。
石川投手に勝ち投手の権利がつき、今シーズン初勝利の期待も高まった。
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が、、、リリーフ陣がじわじわと打ち込まれ4点のリードを吐き出してしまい、結果的には5-6に。。。心に重く響く負けゲームになってしまった。
一部ネット上で疑問の声があった、継投について考えてみたい。
論点1| 7回4点リードで梅野投手
この場面は清水投手の方が良かったという声もあるが、現時点では流石に結果論かなと思う。
僕は、梅野投手を起用した判断を支持したい。
高津監督の頭にあった選択肢は、ここまで7回リードの展開で投げた梅野投手か清水投手の2人だったと思う。
6/19(3点リード)梅野投手 1/3回3失点
6/20 (2点リード)清水投手 1回無失点
6/24(5点リード)清水投手 1回無失点
開幕時点では「7回は梅野投手」に決めていたはずだが、その梅野投手は開幕早々に3失点で先発石川投手の勝ちを消してしまった。
このことで高津監督も迷い始めたのか、翌日のゲームでは清水投手を起用した。
続く24日5点リードの場面では、7回に清水投手、8回に梅野投手を起用した。
高津監督の中で、2人の序列が揺らいでいると思う。
練習試合を含む今年の出来で言えば清水投手にやや軍配があがるが、シーズンを通しての実績では梅野投手が上回るので、甲乙付けるのは難しい。
そしてこの日、高津監督が7回のマウンドに送り込んだのは、梅野投手。
・昨シーズン厳しい場面も乗り越えてきた信頼
・6/24前回登板では、1回パーフェクト
・6/19石川投手の勝ちを消した試合のリベンジ
これらの理由から、シーズン冒頭に描いていた青写真通りに梅野投手を選んだと思う。
「迷ったら原点」という考え方もあり、僕は妥当な判断だと思う。
梅野投手は期待に応え順調に2アウト・・・と思いきや、大城選手から三振を奪ったフォークボールを捕手が逸らし振り逃げをされ、1アウト1塁に。
ここからリズムが狂ったのか、連打を浴び、失点を許してしまった。
結果的には相手の走塁ミスとエスコバー選手の好守備もありこの1点に留めたものの、ジャイアンツの反撃ムード漂う展開になった。
清水投手なら無失点に抑えていた可能性も勿論あるが、可能性に過ぎない。
ここまで3試合無失点リリーフを続けているが、6/20の2点リード時の登板では長打を含む2本のヒットを打たれ2死2,3塁であわやというピンチを招いている。
(※ 清水投手を貶める意図はなく、梅野投手との序列は付けづらい状況を伝えたい意図で書いています。)
この日を境に、2人の序列が変わった可能性はあるが、少なくとも6/26時点では7回に梅野投手を起用したことは間違った判断だと思わない。
論点2| 8回からの石山投手・回跨ぎ
8回マクガフ投手が打ち込まれ2点を失い、なおも2死2塁と同点のピンチ。
・続投か
・イニング途中の火消しの印象が強い近藤投手か
・回跨ぎを念頭にクローザーの石山投手か
まだ開幕7試合目。通常ならクローザーを回跨ぎで起用することはしないだろう。
それでも僕は、石山投手を起用した高津監督の思いに強く共感する。
2015年、高津監督が投手コーチを勤めていた時のある試合を思い出した。
館山投手の復帰試合だ。
2点リードの八回、ベンチは1死一塁の場面で九回限定のはずのバーネットを投入。必勝の継投策に館山の涙腺は崩壊した。
奇しくも同じくまだ6月のゲーム。
優勝争いをしているシーズン終盤ならともかく、普通の試合ならクローザーを8回から回跨ぎで登板させることはそうそうしないだろう。
それでも当時の真中監督と高津コーチは、8回にバーネット投手を投入した。
どうしても館山投手の復帰試合を取りたかったからだ。
そしてそのゲームを、スワローズは6-4で勝利した。
このなりふり構わない采配による勝利に、館山投手は涙し、選手たちも熱い言葉を発した。
秋吉投手
「館山さんはプロに入る前から見ていた投手だし、同じサイドスロー。絶対に勝ちたいと思っていた」
バーネット投手
「僕は館山の投球が好き。闘志を出して投げている姿を見られてよかった」
https://www.sanspo.com/baseball/news/20150629/swa15062905010003-n1.html
間違いなく、2015年リーグ優勝のターニングポイントになった試合だった。
復活を果たした館山投手はこのシーズン貴重な先発投手としてスワローズを支え、リリーフ陣たちも自信を付け盤石な体制となった。
1ファンとしても、この6月以降”今年は何か違うぞ!”という感覚を持った。
時にはリスクを取った采配を取ることで、チームを大きく盛り上げた好例だと思う。
石川投手にどうしてもシーズン初勝利を。
この日も館山選手の復帰試合と同じように、単なるチームの勝利ではなく特別な思いを持った試合だったと思う。
開幕戦土砂降りのなか好投し、勝ち投手の権利を得ながらも、勝ちを逃してしまった石川投手。その石川投手が、シーズン2試合目も同じように好投してマウンドを降りる。
そして味方打線が、相手のエース菅野投手から5点を奪い逆転した。
この試合を取れば、今シーズン波に乗れる分岐点となる試合だと読んだはずだ。
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結果は残念としか言いようがないが、熱い継投を見ることが出来て満足している。
高津監督は、ご自身がリリーフ出身ということもあり、決してリリーフを酷使するタイプの監督ではないと思う。
実際に6/24の試合では、5点リードの試合で勝ちパターンのマクガフ投手と石山投手を温存して勝利している。2人とも中3日以上登板間隔は空いていたにも関わらず。
そんな中で見せた執念の継投だっただけに、余計に胸が熱くなった。
今後の勝ちパターン展望
8回 マクガフ投手、9回 石山投手の構図はしばらくは変わらないと思う。
結果的には2人で4失点したわけだが、投げているボール自体はそこまで悪く見えない。
実績のある両投手なので、当面はこの2人が後ろを任されるはずだ。
7回については流動的か。
当面は清水投手が任されるかもしれない。
本来は梅野投手が担うポジションだと思うが、真骨頂であるストレートで空振りを奪えない状態が続いている。
個人的には、コンスタントに150 km/h超えのストレートを投げる長谷川投手に期待している。
誰であれ、ある程度役割を固定してあげて欲しい。
3人とも未来のスワローズを支える若い投手だ。
勝ちゲームも、僅差ビハインドも、調子が良い時期にはどんどん起用してしまうと、負担も大きい。高津監督、斎藤コーチ、石井コーチというリリーフ経験豊富な首脳陣なら、全く心配ないと信じている。
この3人から不動のセットアッパー、そして未来の守護神が生まれるのが楽しみでならない。
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「真の王者だけが抱く、愛がある。」
ラフロイグのコピーがかっこよすぎる。